骨とほうれい線との深い関係
ほうれい線とは、本来、頬と口元の「境界線」。
その境界線であるほうれい線は、加齢などによる顔のたるみが主な原因となり、年齢とともに目立ってきます。
また、ほうれい線の原因の一つに「骨粗鬆症」があります。
実は、医学論文でほうれい線の原因の1つが骨粗鬆症であることが示されているのです。
女性は更年期以降に、骨密度が低下し骨粗鬆症のリスクが高まるので要注意です。
この記事では、ナールスエイジングケアアカデミーの「ほうれい線は骨粗鬆症で目立つ!更年期のエイジングケア」の記事を参考に、ほうれい線と骨粗鬆症の関係についてご紹介します。
まず更年期について知ろう!
更年期は、一般的に閉経をはさんだ前後10年間のことをいいます。
現在、日本人の平均的な閉経年齢は50.5歳なので、およそ45歳〜55歳までといわれています。
もちろん、閉経年齢には個人差があるので、40代前半からはじまる方もいますし、50代を超えてからの方もいます。
骨粗鬆症は、骨密度の低下などが原因の更年期の女性がかかりやすい病気の1つ。
そして、骨粗鬆症がほうれい線の原因の1つであることが、最近の医学研究でわかってきたのです。
ほかにも、顔のたるみが原因となるマリオネットラインや目の下のたるみも同様です。
骨粗鬆症で深くなったほうれい線は、エイジングケア化粧品や毎日の生活習慣で改善することはできません。
だから、早い時期からケアを行うことが大切です。
加齢で骨粗鬆症のリスクがアップ!?
骨は体積ベースでは、カルシウム類が約50%、コラーゲンが約50%とほぼ同じくらいです。
重さでは、カルシウムが80%、コラーゲンが20%です。
カルシウムは主の骨の強さの源です。
一方、コラーゲンは骨のしなやかさを支え、骨の質を高めます。
骨は、常に新陳代謝を繰り返していますが、骨代謝または「骨のリモデリング(骨改変)」と呼ばれることもあります。
健康な骨では、骨吸収(骨を壊す働き)と骨形成(骨をつくる働き)のバランスがつり合って、骨代謝が正常に行われています。
この期間は、若い方であれば3年程度と考えられています。
しかし、高齢になるとスピードが遅くなって、5~10年程度の期間が必要と考えられています。
更年期と骨粗鬆症の関係とは?
更年期になって閉経すると、卵巣のはたらきが衰えます。
その結果、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が急激に減ります。
特にエストロゲンが減少すると、女性ホルモンのバランスが乱れ、今まではたらいていた身体の機能がはたらかくなって、自律神経の調節がうまくいかなくなります。
その結果、肩こり、疲れやすい、頭痛、のぼせ・ほてり・発汗、腹痛・腰痛、便秘、不眠、イライラ、動悸・息切れ、冷え、うつ状態・不安感、めまいなど、さまざまなトラブルが出現します。
これが更年期障害です。
エストロゲンは骨形成を進め、骨吸収を抑えて、骨をしっかりとつくるサポートをする女性ホルモンです。
しかし、閉経前後からエストロゲン分泌が激減します。その結果、骨を十分につくるサポートができなくなります。つまり、エストロゲンの分泌量が減ることで、骨量も減るのです。
骨粗鬆症の原因は?
骨粗鬆症とは、簡単にいえば、骨がスカスカになって、ちょっとしたダメージで骨折するリスクが高くなる病気です。
骨粗鬆症では、骨吸収がどんどん進んで骨形成を上回ってしまいます。
そのために、骨がスカスカしてもろくなるのです。
しかし、骨粗鬆症には症状がなく、自分ではあまり気づきません。
転倒したり、くしゃみをするだけでも骨が折れてしまうことありますが、そこで初めて気づく場合もあります。
骨粗鬆症の主な原因は、加齢や女性ホルモン分泌の低下です。
エイジングを重ねるとビタミンDや副甲状腺ホルモンのはたらきが低下して、骨代謝のバランスが崩れてしまいます。
更年期の女性の場合は、その上にエストロゲンの分泌が激減します。
そのため、骨が脆くなってしまうのです。
このほか、無理なダイエットや偏食などによる栄養バランスの偏りで、カルシウムやタンパク質、ビタミンD、ビタミンKなどが不足することも原因になることがあります。
このように、骨密度が低下すると、骨も委縮します。そのため、顔の骨もやせ細ってしまいます。
骨がやせてそのはたらきが弱くなると、顔の靭帯(リガメント)を支える力が低下します。
その結果、靭帯がゆるみます。
靭帯がゆるむことで、表情筋や皮下組織などを支える力が低下します。
そして、顔がたるんでほうれい線が目立ってしまうのです。
つまり、骨密度の低下はほうれい線の原因になってしまうのです。
骨粗鬆症によるほうれい線の対策は?
残念ながら、骨粗鬆症によって進んだほうれい線は、エイジングケア化粧品で消すことができません。
だからこそ、早く予防を心がけることが大切なのです。
また、食べ物や栄養素でも改善することは難しいのです。
骨粗鬆症で進んだほうれい線を目立たなくする手段としては、美容医療による治療が考えられます。
◎ヒアルロン酸注入
◎PRP注入
◎脂肪注入
などの施術でほうれい線を目立たなくすることが可能です。
いずれの治療法にもメリットとデメリットがあります。
また、美容外科や美容皮膚科によって使う薬剤や技術などが異なります。
ほうれい線の美容医療を検討する場合は、十分に専門医に相談しましょう。
まとめ
イヤなエイジングサインほうれい線が目立つ原因の一つ、ほうれい線と骨粗鬆症の関係についてご紹介しました。
骨粗鬆症で目立ってしまったほうれい線は、エイジングケア化粧品では改善できません。
日頃から骨の健康にも気を配るとともに、改善のためには美容医療を検討してみるのも良い方法です。
この記事「ほうれい線の原因は骨粗鬆症」を参考にして、更年期や骨粗鬆症への理解を深め、ほうれい線対策をしていただければ幸いです。